9類「理化学機械器具」

尾崎塾

教育用呼吸不全シミュレーション回路

Ozacuit Simple TM

 

【使用説明書】

Ozakiseminar 2014.9.22


1.はじめに

Ozacuit Simple TMは、医療関係者向けの教育用のシミュレーション呼吸回路です。本製品は、医療関係者が、呼吸不全病態を体験および理解するために考案された教育用の呼吸不全シミュレーション回路です(特許出願中)。

【禁忌】

臨床での使用、および呼吸機能訓練に使用は禁止です。臨床利用に関連する許認可は一切受けていません。

【注意】

呼吸器疾患(感冒・上気道炎・喘息・COPDなど)を有する医療関係者は使用を控えてください。Ozacuit Simple TMによる体験的な学習は、あくまでも健常な医療関係者を対象としています。

 

2.製品の構成(図1参照)

  • Ozacuit Simple TMは、両端にY型コネクターを配して、両者を2本の回路(O回路)で連結しています。
  • その片方の回路に一方弁を配置しているため、 O回路のそれぞれが吸気と呼気の回路として独立して機能します。また、 他方の回路に可変抵抗を備えているため、吸気抵抗もしくは呼気抵抗を付加することが可能です。
    • すなわち、緑色のバンドが装着される側から呼吸すると、吸気抵抗(可変抵抗)が発生しますが、呼気抵抗としては、極僅かなもの(導管抵抗)しか発生しません。
    • 逆に反対側から呼吸すると、呼気抵抗(可変抵抗)が発生しますが、吸気抵抗としては、極僅かなもの(導管抵抗)しか発生しません。
  • 可変抵抗は、“0”“3”の4段階の切り替えが可能となっております(“0”:最大抵抗、“3”:最小抵抗)。抵抗の表示を、便宜上4段階で表示していますが、可変抵抗は回路断面積を徐々に狭小化することで発生させているために、各数字間の抵抗を微調整することも可能です。
  • 本製品は呼吸器回路に使用される回路径はISOに準拠しているために、市販のフィルター、モデル肺、人工呼吸回路に接続できます。

    • これによって、フィルターを介して呼吸することで感染防止が可能になります
    • Ozacuit Simple TM を介して人工呼吸器に接続すると、吸気抵抗や呼気抵抗が付加された場合の換気を体験できるほか、換気パラメータの変化を確認することが可能になります。また、モデル肺と人工呼吸器の間にOzacuit Simple TMを設置すると、換気状態の変化を視認することも可能になります。

  • バクテリアルフィルター(一定以上の性能を有するもの)を装着して使用すると、交差感染の危険性を回避して、多人数で一つの回路を安全に使用することが可能になります。

【図1】

Ozacuit SimpleTM


3.製品の特徴と指導方法について

  • 被験者の吸気流量・呼気流量が少ない場合には、被験者は同じ抵抗値でも抵抗感をあまり感じず、逆に、吸気流量・呼気流量が多い場合には、被験者は同じ抵抗値でも抵抗感を強く感じます。

    このために、使用中は一定の吸気流量を維持するよう被験者に指導してください。

  • 代償可能な抵抗が存在すると、多くの被験者は吸気努力もしくは呼気努力によって、必要以上に1回換気量を増加させてしまう現象がしばしば発生します。その結果、吸気流量もしくは呼気流量を増加させて、抵抗を設定以上に高めてしまうことになります。

    これを防止するためには、以下に注意して呼吸するように指導してください。

    • 吸気抵抗を発生させている場合には、1回呼気量が一定になるように呼吸する
    • 呼気抵抗を発生させている場合には、1回吸気量が一定になるように呼吸する
    • 呼気終末の肺容量を安静呼気位まで必ず戻してから、次の吸気を開始する
  • Ozacuit Simple TMは、一定の呼吸(換気)状態のなかで、抵抗が存在する呼吸パターンを吸気側・呼気側で独立して体験・観察することを可能にします。

    一般的にストローで作る気道抵抗では、被験者は苦しいので多く吸気する結果、吸気した量を呼気しきれず、呼吸窮迫感からさらに多く吸気するという悪循環に陥ります。そして、肺容量が過剰になり、吸気も呼気も困難になってシミュレーションの中断を余儀なくさせられる場合が少なくありません。

  • 人工呼吸器とOzacuit Simple TMの併用:PSVPressure Support Ventilation)の圧設定:

    人工呼吸回路の患者側にOzacuit Simple TMを装着して吸気抵抗を設けると、PSVが吸気抵抗を相殺する効果を体験できるほか、換気パラメータの変化を確認できます。また、モデル肺を使用しても同様のシミュレーションを実施でき、モデル肺の動きの変化を確認できます。 

    また、呼吸パターンのアセスメントのみで最適のPSV設定を行うシミュレーションを実施することができます。すなわち、医療者役の実施者と患者役の被検者がペアになって、被験者が最適と感じるPSV設定を実施者が見つけ出すトレーニングを実施します。被検者が最適と感じるPSV設定が可能になると、その実施者には一定の「呼吸を診る」能力が修得されたと判定できます。

 

4.使用上の注意と保管

 

  • 本回路は、原則としてフィルターを使用し、唾液などの分泌物で一方弁や抵抗に影響を及ぼさないようにしてください。
  • 樹脂製品ですので、非使用時は直射日光や紫外線(殺菌灯)を避け、適度な室温で保管してください。

    その際、回路の捻じれや屈曲を修正し、購入時の形に保ってください。捻じれや屈曲は、再使用する場合の障害になります。

  • 使用後に水滴(呼気水蒸気の結露)を認める程度の汚染がある場合には、一般的な洗浄と室温乾燥で再使用が可能です。(フィルター使用下では基本的に食器類と同じと考えます。)

    ただし、セミナーなど不特定多数の方が使用した場合には消毒の実施を推奨します。

消毒ネオアルベスト®1%10分間浸漬  テキサント®1%10分間浸漬

 

 

 低温乾燥(70℃1時間)

  • テゴー51® は回路に着色を来たすので推奨しません
  • 本製品は滅菌の対象ではありません
  • 製品到着時に不具合があった場合には、お手数をおかけ致しますが、料金受取人払いで不良品をご返送ください。新しい製品お送りさせて頂きます。なお、購入後半年以内の未使用製品(所定の保管状態のものに限る)も同等の扱いとさせていただきます。

    購入後半年以上経過した製品、および使用後に発生した不具合に対しては免責とさせて頂きます。また、部品交換にも現時点では対応できませんので、悪しからずご了承ください。

5.お問い合わせ

尾崎塾問い合わせ公式サイトよりお願い致します Ozakiseminar.official@gmail.com

★現在、事務局が病院内にありますので、お電話でのお問い合わせは対応できないことがありますので、ご了承ください。

 

企画・販売 尾崎塾 

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